破壊か?創造か? バンクシー 抗うものたちのアート革命

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INTRODUCTION

この町で最も称賛される
アーティストは、
この町で最も有名な
犯罪者だった。

MOVIE OVERVIEW

世界に影響を与え続ける正体不明の覆面グラフィティアーティストのバンクシー。
彼のアイデンティティは謎に包まれたままだったが、
政治風刺芸術や犯罪的なスタントは体制に抗いながらも革新的なアートムーブメントを生み出した。
ストリートカルチャーの潮流を辿りながら、
グラフィティアートと大衆社会の関係を紐解く入門的ドキュメンタリー。

STORY

世界で最も有名なアーティスト・バンクシー。
彼が築き上げた帝国、そして影響を与えてきた数々の運動。
その裏側に迫ったドキュメンタリー映画がついに日本初上映!
彼が世に放った政治的芸術、犯罪的スタント、大胆な侵略は、
20年以上にわたって社会体制や支配階級を激怒させ、同時に大衆を魅了し続けてきた。
しかし、彼自身の人生についてはほとんど知られておらず謎に包まれている。
本ドキュメンタリー映画「Banksy & The Rise of Outlaw Art」では、
犯罪サブカルチャーのルーツからアート革命のリーダーとしての彼の姿まで、
知られざるバンクシーのストーリーが明らかになる。

アートプロモーターでバンクシーの元右腕である、スティーブ・ラザリデス。
バンクシーの最も近い協力者のひとりで世界的に有名なアーティスト、ベン・エイン。
バンクシーの物語の始まりとも言えるグラフィティ・プロジェクトを運営した、ジョン・ネーション。
その他有名なストリート アーティスト、Risk(リスク)、Felix 'Flx' Braun(フェリックス・フィックス・ブラウン)、 KET& Scape(ケット & スケイプ)に加えて多数のアート専門家や文化評論家が登場する。

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TRAILER

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CAST

  • BANKSY

    バンクシー

    バンクシー”BANKSY”とは

    イギリスを拠点に活動する正体不明のアーティスト。世界中の都市の壁、橋などを舞台にして神出鬼没の作品を発表している。 世界の芸術界においてバンクシーは反資本主義や反権力など政治色が強いグラフティを残したり、 メトロポリタン美術館や大英博物館などの館内に無許可で作品を陳列したりするなどのパフォーマンスで衝撃を与えている。 またテーマパークや宿泊施設のプロデュース、ドキュメンタリー映画の監督など、幅広く活動。ステンシル(型版)を使用した独特な作風は、 ストリートアートや音楽家のコラボレーションが活発なイギリス西部の港湾都市ブリストルのアンダーグラウンドカルチャーで育まれた。

  • JOHN NATION ジョン・ネーション(グラフティアート研究家)

    JOHN NATION

    ジョン・ネーション(グラフティアート研究家)

    イギリス、ブリストル生まれ。ブリストルのグラフィティアートに献身してきた、 ”グラフィティのゴッドファーザー”と言われている人物。現在もWhere The Wallというブリストル市内でのグラフィティツアーを行い、80年代より現在まで、 BBCやスカイTV、リーダーズダイジェストなどたくさんの有名雑誌やTV局からインタビューを受け、グラフィティに関しての取材には必ず取り上げられるブリストルの知名人で、 また、この”バンクシー抗うものたちのアート革命”も彼へのインタビューを中心に正確に作成された。...

    80年台初期、ジョンは初めて訪れたアムステルダムでグラフィティ、 ストリートタギングに興味を持ち、その頃より、彼のキャノンA1カメラにてその写真を撮り続けた。ブリストルでは3D(マッシブアッタクのロバートデルナジャ)インキー、 ニックウォーカーその他の少年たちがグラフィティを描き始め、それも記録し、グラフィティに深く興味を持った。 その頃、ジョンはバートンヒルという悪評高い白人エリアのユースクラブで働き出し、彼自身のグラフィティープロジェクトを始め、ブリストルのグラフィティ文化に貢献した第一人者である。 1989年のオペレーションアンダーソン(グラフィティを公共の場所に描く事は違法だったため、それを取締るための捜査)ではジョン自身も逮捕されたが、彼は誰の名前も公表しなかったため、 グラフィティアーティストから尊敬を集めた。その頃、少年だったバンクシーもバートンヒルユースクラブに出入りしており、グラフィティの裏話の数々の歴史と写真記録を持つ。

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  • Felix FLX Braun

    フェリックスFLXブラウン(アーティスト)

    英国・ブリストルを拠点に活動する現代美術家、壁画家。 英国グラフィティの最初のムーブメントを経験したフェリックスは、1984年に悪名高いCrime Inc Crewで、弟のジンクス、ニック・ウォーカー、インキーらと共に絵を描き始めた。...

    ストリートアートやグラフィティに関する2冊の本の執筆、ギャラリーのキュレーション、南アジアや東アフリカのコミュニティアートプロジェクトの実施など、 多彩なキャリアを持つフェリックスだが、最近はバーバラ・ヘップワースやパウル・クレー、キース・ヘリングといった80年代のニューヨークのサブウェイ・グラフィティを象徴するスタジオワークに重点を置いている。

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  • BEN EINE

    ベン・エイン (アーティスト)

    本名は「Ben Flynn(ベン・フリン)」。1970年、ロンドン生まれ。イーストロンドンエリアを中心に活動し てきたベン・エインですが、 今のようにコマーシャルグラフィティとして作品の制作を依頼される以前は、ア ンダーグラウンドシーンで活躍していた。その頃からアーティストとしての評価、知名度は非常に高かった。

STAFF

  • Elio Espana エリオ・エスパーニャ(監督・脚本・編集)

    Elio Espana

    エリオ・エスパーニャ(監督・脚本・編集)

    脚本家、監督、プロデューサーとして、エリオ・エスパーニャは20年以上にわたる幅広い作品群を有している。 ロンドンを拠点とするトム・オデルとの制作会社スピリットレベル・シネマを通じて、歴史、社会、文化、政治など幅広い文脈の中でテーマを探求する厳格なドキュメンタリー映画で高い評価を得ている。...

    批評家から高く評価された長編映画には「Down in the Flood: Bob Dylan, the Band & the Basement Tapes」、「Prince: Slave Trade」、 「Brian Wilson: Songwriter」などがある。Discovery Networks、UKTV、Sky、Viasat、Netflix、Ovation、AXS、Apple TV、Peacock、Amazonなど、数多くのテレビ局やストリーミングプラットフォームで放送されている。

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    監督インタビュー

    バンクシーへの個人的な興味と、なぜこの映画を作ろうと思ったのですか?

    20世紀の芸術や文化に興味がある人なら、バンクシーに興味を持つに違いありませんし、もちろん映画製作者も20世紀の芸術や文化に興味があるはずです。 ストリート・アートは、このミレニアム(millennium)の最初の重要な芸術運動であり、ミレニアム以降の芸術の形を決定づけ、バンクシーは他の人々とともにその運動を築き上げました。 その上、彼の匿名性が、なぜこれほど魅力的な主題であり続けるのか、ご理解いただけると思います。

    私にとって、バンクシーについての映画を作るというアイデアは、2018年にサザビーズで行われた「Girl With Balloon」のシュレッダー事件 (今ではそれ自体が芸術作品として知られ、「Love Is In The Bin」と呼ばれる事件)の直後に初めて思いつきました。...


    その時、私はフランスにいたのですが、この作品について多くの会話が交わされ、人々は驚き、喜び、刺激されました。 そして、10~15年前、バンクシーが美術館への侵入やその他のいたずら、スタントを行っていた時の人々の反応を思い出したのです。 あの時、人々を笑わせたことを思い出し、違法行為であるにもかかわらず、人々は彼を応援し、当時は庶民のために打撃を与えているように感じたのです。 サザビーズのイベントもそうで、同じような反応を示していました。そして、彼や他の誰かがそのようなことをするのは、かなり久しぶりなのではないかと思いました。

    サザビーズの数年前、バンクシーは初期のスタントよりも、ディズマランドやウォールド・オフ・ホテルのような大規模なインスタレーションに力を入れていました。 バンクシーのキャリアがいかに長く、その後、現代アートの世界でこれほどまでに文化的重要性を獲得した人物はいないことを思い知らされました。 そろそろ回顧的にみてみる時期だと思いました。

    バンクシーが登場したのは私が10代後半から20代前半の頃で、彼は私より数歳年上ですから、同じような文化的な参照枠を共有していることになります。 彼がラディカライズした人民税暴動は、私の人生においても大きな出来事であり、私自身のポリティックスに影響を与えました。 クリミナルジャスティス法も同様で、彼も私も若者だった当時、イギリスの若者文化を迫害することを目的とした法律でした。 私は、ショアディッチのリヴィントン通りに最初の制作オフィスを開設したのだが、その頃、彼はリヴィントン通りのトンネルで最初の違法な「ストリート展」を開催していました。
    彼の現在では有名なあのネズミがあちこちに出没し、彼とベン・エイン、シェパード・フェアリや他のストリート・アーティストたちが飲んでいたドラゴン・バーで、時々飲んでいたのを覚えています。 これまでの私の映画とは異なり、この作品は、私自身が同時代人として生きてきた時代の物語を語る機会であり、非常に魅力的でした。

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    バンクシーと彼の作品を知っている人たちにとって、あなたの映画はどんな新しい視点をもたらしてくれるのでしょうか?
    その匿名性のせいもあり、また彼は時々新しいストリートピースやびっくりするような展覧会を開いては現れるので、人々はバンクシーの作品が作られた時に、 自然にバンクシーの作品に触れるだけで なので、だから、バンクシーのストーリーをきちんと追跡し、文脈を明らかにしたものはありません。

    それ自体もすごい話ですが、現代のストリートアートムーブメントの最初の、そして間違いなく最も認知された人物の一人としてです。 バンクシーの物語は、グラフィティから生まれたストリートアートの物語でもある。社会が潰したいと思い、都市が法執行機関のあらゆる資源を投入して迫害した芸術運動が、21世紀で最も重要な芸術運動となったのです。

    バンクシーの全貌を、ストリートアートの発展や作品のテーマとともにたどることは、これまでになかったことであり、私がやりたかったことでもあります。
    監督から日本の観客に向けてのメッセージ
    この度、この映画を日本で公開することができ、大変うれしく思っています。日本は、映画にとってもストリートアートにとっても重要な場所です。 グラフィティ、ヒップホップカルチャー、ストリートアートは日本との間には常に密接な関係があり、ロンドンのような国際都市で育った私はそれを常に強く意識していました。 ロンドン中心部に位置する最もクールなエリア・ショアディッチのストリートアートシーンの初期には、多くの日本人がバンクシーの初期の作品を見に来たり、 シーンに参加したりしていましたから、常に強いつながりがあったのだと思います。実は、この映画のサウンドトラックを作曲家のピート・ウェイツと一緒に作っていた時、 私は日本の作曲家であり、テクノミュージシャン、DJの横田進さんの楽曲を参考にしてくれと頼みましたので、本作で流れる音楽は日本の影響を受けています。 日本の観客の皆さんには、ぜひとも、この映画を楽しんでいただきたいと思います。また是非とも感想を聞かせていただきたいです。
  • Tomoka

    TOMOKA

    トモカ(エージェント)

    軍艦島生まれ。10歳よりLed zeppelinを聞き、ロックに目覚め、パンク、ノイズ音楽への興味を拡げる。 また幼少期よりクラッシック音楽愛好家であり、その後、武蔵野音大ピアノ科を卒業。 90年代始めにタイなどでレイブパーティを経験し、以来、フリーパーティで多国籍な仲間と出会う。 その後、音楽療法を勉強するためにロンドンに移住。ロンドンでは、ピアノ教師を生業に多くの生徒を教えている。 同時に、90年代よりロンドンを中心としたイギリス各地で行われるレイブやフリーパーティを訪れ、オーガナイザー、サウンドシステムのメンバーと知り合い、フリーパーティーのカルチャーとの関わりを深める。...

    当時、ブリストルでも音楽とグラフィティシーンは活発で相互関係が深く、2000年代初旬にはバンクシーの作品他、様々なアーティストの作品に触れDIYストリートアートに興味を持つ。 2006年より日本とイギリスのカルチャーを結ぶパーティーをオーガナイザーとして始動。日英のDJによるイベントを定期化する。90年代よりレイブカルチャーを共にした人脈からバンクシーの活動をおさめた写真集 「バンクシーキャプチャード」等の書籍を日本に紹介。 90年代のアンダーグラウンド・シーンて知り合った友人と連携し、イギリスのカウンターカルチャーを日本に紹介することで、 日本人の豊かなセンスに、自由な自己表現、独創性、個性を守る事の重要性をメッセージに、幅広く活動している。

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COMMENT

  • ダースレイダー(ラッパー)

    ダースレイダー
    (ラッパー)

    グラフィティーが描かれることでそこに壁があることがわかり、壁の内と外があることがわかる。...

    僕らが囲い込まれている”社会”の壁に出現し、壁そのものの意味を問い、その外側を指し示すのがストリートアートの役割だ。 バンクシーはブリストルの壁の向こう側に何を見たのか?それを想像するだけでワクワクしてしまう。

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  • Revol(eスポーツキャスター/解説)

    Revol
    (eスポーツキャスター/解説)

    持たざる者が創った文化は無秩序で奔放であり、既存の社会と衝突する。...

    ストリートアートに内在する大衆性とバンクシー作品のメッセージ性が若者と共鳴し、社会に疑問を投げかける。 名声を手に入れてもなお自らを含めた様々なものに問い続けるバンクシーの強靭な知性に魅了された。

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  • 小松美羽(現代アーティスト)

    小松美羽
    (現代アーティスト)

    突如現れた、まるで物語のヒーローのようなバンクシー。時代の流れが生み出した己の生き様とアートが大調和し、その清新な魂が鑑賞者の心に火をつける。...

    自己批判と共に自分の役割を一貫して全うし、今を生きる我々に問題提起し続ける、そんな存在なのではないだろうか。 本当の革命とは、純粋であり、無邪気であり、祈る行為であり、深い思慮の彼方に辿り着く境地と真実なのだ。

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  • 名越康文(精神科医)

    名越康文
    (精神科医)

    バンクシーの作品が好きだ。
    でもこの映画はたとえバンクシーの芸術を必要としない者でさえ、いやそういう傾向の人がむしろ、より見る価値があるという顛倒が起こりかねない内容だと思う。...

    なぜならば、人生は生き切ったら勝ちだという、まったく野蛮過ぎて日本では蒸発してしまった価値観が、全編に渡って表出しているからだ。 日本人は準備する、準備する、学び、蓄積する。しかしそれにも必ずリスクがある。誰かのまねごとになる、つまり物事が出現した時点での生命力が無くなったものばかりを武器として生きてゆく、宿命を背負うということになるのだ。反論はあるだろう、この本意を汲む気がない人と、そんなことよりもっと先を考えている人に向けてこれを書いている訳ではないのだから、それは仕方がないことだ。しかし、準備したものの重量がその人の人生のフットワークを衰えさせ、その人の持つ奔放な輝きを永遠に失わせることなんて、少し洞察的なものの見方ができるようになれば、あちこちで出くわす当たり前のことなのだ。 バンクシーもおそらく準備する、入念に入念に。準備が足りなければ彼の場合、身を滅ぼすことになりかねないからだ。しかしその準備は常に、他者を、そして自分自身をも裏切るようなとんでもないことに向けてなのだ。 人間は様々な生き方を選択することができる。
    与えられた生き方の中でしか生きる術などないと、深く致命的に刷り込まれている我々にとって、この映画は2時間の清涼剤と言う以上の鮮烈な意味を持ちえるだろう。 そしてバンクシーが何者かを知らない者も、自分の人生を既定路線で生きること以外の人生の設計図を、密かに手に入れるだろう。

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  • シシド・カフカ(ドラムボーカル・女優)

    シシド・カフカ
    (ドラムボーカル・女優)

    抗う心とウィットを持って
    時代・規律・抑圧と闘うバンクシーのアートは麻痺しそうな感覚、流されそうな感情を私たちの心に引き留めてくれる...

    揺るがないその姿勢
    とにかく格好いい

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  • ISO(ライター)

    ISO(ライター)

    かつてブリストルで生まれた路傍の落書きは、今や億単位で取引される芸術に。
    だがかの有名なシュレッダー裁断事件は、彼が反逆者であったことを思い出させた。...

    この記録映画では、彼が持つ反逆心や政治性のルーツをグラフィティの濫觴から辿る。
    反体制、反戦争、反権威主義……大衆の声となってメッセージを放ち続けた挑戦的な軌跡を知り、なぜバンクシーにこれほど心惹かれるのかを理解する。
    芸術は誰のもので、何に価値を見出すか。それは決して”値段”ではないはずだ。
    本作は商業主義の中で埋もれてしまった、芸術の本質を掘り起こそうとしている。

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ほか鋭意準備中